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感想文ブログ

作品をもう観たという方に、私の個人的な解釈を伝える為の内容を溜めます。

傷物語Ⅲ冷血篇 ネタバレ感想考察4

○協力

[原作 016章(299P~309P)]

 

冒頭からシリアスで気の抜けない展開が続く今作において、随一といっても過言ではないギャグパート。暦の突飛な願いをうけての羽川の行動をみると、この前後には暦の事をどういう気持ちでみていたのかがわかる一幕ともいえるでしょう。

 

ここから熱血篇次回予告でお馴染み問題の場面へ。ここでの暦は傷物語で一貫していたテレビ版と逆になっていた前髪の分け目が元に戻っていますが、尾石監督によると、どうやらこの時の暦は傷物語の暦とは繋がらない程かけ離れたキャラクター(変態性)の為、化物語以降の、つまりはテレビ版の暦と同じ分け目にしているとのことです。原作を読破している方ならご存知の通り、ここの場面が本作中最も笑いが多い箇所となっています。

 

「胸を触らせてはもらえないだろうか」から繰り返す「胸を」の部分で一歩二歩分羽川に寄っている絵は、テンポも相まって劇場内に笑いを誘います。
コミカルな表現の比重がかなり増えつつも、羽川の下着を取るシーンの表情は決意に満ちた様子を見せ、そうかと思えば「ろ、六十秒…」と息を飲む暦が見れたりと、展開の温度の移り変わりがとても激しく、ギャグとして打ち出される個所を迎える度、笑い声がそこかしこから絶えません。
「ラジオ体操ですか」というくだりから胸を触ろうとする暦の手にも、勿論影は表れません。
完璧に調子に乗りはじめる暦。手つきや息、表情など見ているだけで笑いがこみあげてきます。そして暦が導き出してしまった、今日という日を体験するためだけに生まれてきたのだという大真面目な結論は、公開から四週目を過ぎても尚、劇場を笑いに包んでくれます。
そこからのヘタれた暦の展開もまだまだ面白く、羽川の肩を揉んで間髪を容れずの「以上です」も映像でみせられると笑わざるを得ません。
これまでのシーンでも影は丁寧に表れない暦ですが、体育倉庫での最後の場面となる指きりでは、より影がクローズアップされており、人であらざるものを際立たせ、これから人間に戻る為に再び戦闘へと身を置こうとする暦の、後戻りができない状態や思いの強固さを思い出させてくれます。

 

そして舞台は最終決戦の場へ。